東京商工リサーチが21日発表した「介護離職者に関する企業調査」によると、過去1年間(2024年4月~25年3月)に介護離職者が出た企業は7.3%だったが、大企業の12.0%に対して中小企業は7.0%。業種で最も高かったのは「宿泊業」の23.0%で、離職者数は「1人」が最多の74.1%だった。
離職者が法律で定める介護休業(最大通算93日)や介護休暇(5日)のいずれかを利用していたかどうか聞いたところ、「利用なし」が過半数の54.7%を占め、それも大企業の38.8%に対して中小は56.3%とかなりの開きがみられた。
法制度がある程度整備されているにもかかわらず、仕事と介護の両立支援について、取り組みが「十分」と答えた企業の19.8%に対して、「不十分」は2倍の38.7%、「わからない」が41.4%に達した。不十分と答えた企業に理由を聞いたところ、「代替要員を確保しにくい」「前例が少ない」などが多くを占めており、取り組みの遅れが鮮明に出る結果となった。
調査は4月1~8日に実施、5750社の有効回答を集計した。資本金1億円以上を大企業、同1億円未満を中小企業に分類した。