エン・ジャパンが16日発表した2025年「障がい者雇用」実態調査によると、障害者を実際に雇用している企業の比率は53%で、残る47%は雇用していないことがわかった。雇用していない企業の中には雇用義務のない「従業員40.0人未満」の企業も含まれている。調査は2~3月に実施、同社の「人事のミカタ」利用288社の有効回答を集計した。
雇用している業種は「メーカー」が76%で最も多く、「流通・小売り関連」が64%で続く。「商社」を含む他の5業種は平均以下となっており。雇用していない理由は「障害者に適した業種・職種ではないため」が最多の41%で、「雇用義務がない」が39%、「受け入れる施設が未整備」が31%など(複数回答)。雇用義務のある企業でも、現法定雇用率の2.5%を満たしているのは41%と半分以下だった。
また、障害者雇用全体に対する認識が高いとは言えず、来年7月から法定雇用率が2.7%に引き上げられることを知っている企業は54%、雇用義務の対象が「37.5人以上」に拡大されることを知っている企業も48%程度だった。
企業側の悩みとしては「自社に必要な能力を満たす障害者が大手企業に採用されるため、母集団の形成が難しい」(IT・情報処理)、「発達障害者は特性に個人差があり、接し方の答えが容易に見つからない」(メーカー)、「自身の障害の特性を職場仲間とは共有してほしくないと望む人を採用すべきかどうか、判断が難しい」(メーカー)などの声があった。
厚生労働省の「障害者雇用状況」調査によると、24年の法定雇用率達成企業は46.0%、未達成企業のうち1人も雇用していない企業は57.6%となっている。