東京商工リサーチが10日発表した「トランプ関税」に関する調査によると、相互関税が「マイナス」と回答した企業は過半数を占め、「プラス」はわずか1.3%と規模・産業を問わず経営への打撃を懸念する企業の多いことがわかった。調査は1~8日に実施、5372社の有効回答を集計した。
関税引き上げの影響について、「影響は生じていない」が46.2%で最も多かったものの、「少しマイナス」が30.3%、「大いにマイナス」が22.1%で、合わせると52.4%と過半数を超えた。マイナスの懸念は大企業(資本金1億円以上)の61.0%に対して中小企業(同1億円未満)は51.6%と、大企業の方が高かった。
産業別で最もマイナスの多いのは「製造業」の64.4%で、「卸売業」の56.4%、「運輸業」の51.5%が続いた。製造業は自動車など対米輸出企業が多く、関税アップの影響は深刻と予想される。
ただ、対策になると「特になし」が65.1%と最も多く、「保有する原材料、在庫などを減らす」「設備投資などを取りやめる」などを挙げる企業もわずかにあった。大半の企業は「トランプ関税」の行方がまだ不透明なことから、この時点では対応を決めかねているためとみられる。