厚生労働省が7日発表した毎月勤労統計調査の2月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は28万9562円(前年同月比3.1%増)で38カ月連続のプラスとなった。しかし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100)は80.7(同1.2%減)と1月に続く2カ月連続のマイナス。1月の実質賃金も速報段階ではマイナス1.8%だったが、この日発表した確報値は同2.8%に拡大しており、コメなどの物価上昇が加速する一方、賃金が追い付かない状況を鮮明にしている。
給与額のうち、基本給などの所定内給与は26万1498円(同1.6%増)で、特別給与が8617円(同77.4%増)に増えた。雇用形態別の総額は、正社員が中心の一般労働者は37万3099円(同3.7%増)、パートタイム労働者は10万7572円(同2.4%増)だった。
産業別で大きく伸びたのは、「金融、保険業」の50万7091円(同25.8%増)と「電気・ガス業」の54万7319円(同16.8%増)、「鉱業、採石業等」の33万7541円(同14.4%増)。下がったのは「運輸、郵便業」の31万5166円(同1.5%減)だけで、1月と同様に16産業のうち15産業でプラスだった。
月間総実労働時間は131.2時間(同2.5%減)。月末の常用労働者数は5104.3万人(同1.6%増)で、パートタイム比率は31.45%(同0.53ポイント増)と上昇が続いている。