労働政策審議会の労働条件分科会(荒木尚志分科会長)が27日開かれ、前回(3月11日)に引き続き、多様な働き方に対応した労働基準法の見直し議論を展開。(1)労働基準関係法制に共通する総論的課題として労基法における「労働者」「事業」「労使コミュニケーションのあり方」(2)労働時間法制の具体的課題(各労働時間制度)――のうち、(2)の労働時間法制について労使がそれぞれの認識を示した=写真。
この日は、厚生労働省が検討の基礎資料となる「労働時間制度等に関する実態調査」(昨年9月21日~10月21日実施)の概要を報告。これを踏まえ、見直し議論のテーマのひとつとなっている副業・兼業の労働時間通算における割増賃金規定の撤廃について、使用者側委員は「上司が部下に対して業務命令を出すときに発生するのが割増賃金であり、労働者本人の選択で別の事業場で働くことに割増賃金規制というのはそもそも馴染まない」と指摘したうえで、「副業者を受け入れる企業も控えてしまい、ひいては労働者の雇用機会を奪ってしまう側面もある」と、健康確保に配慮しつつ現行規定の見直しを求めた。
一方、労働者側委員は、現状においても該当する労働者に割増賃金を支払っている企業が存在するとして「撤廃ではなく、現行規定に沿って支払うよう企業に徹底周知していくのが筋だ」との見解を示した。
このほか...
※こちらの記事の全文は、有料会員限定の配信とさせていただいております。有料会員への入会をご検討の方は、右上の「会員限定メールサービス(triangle)」のバナーをクリックしていただき、まずはサンプルをご請求ください。「triangle」は法人向けのサービスです。
【関連記事】
有休取得率など着実に推移、厚労省の2023年度「評価シート」
労政審労働条件分科会 労基法改正議論も展開(3月11日)