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2025年3月11日

人材サービス倒産、過去10年で最多 人手不足が直撃、24年度東商リサーチ

 東京商工リサーチが11日発表した「職業紹介・労働者派遣業」の倒産状況によると、人材関連サービス業は2024年4月~25年2月の11カ月で92件に達し、最多だった23年度の91件をすでに超え、過去10年の最多となった。内訳は人材派遣が71件、人材紹介が21件で、人材紹介が前年度比8件増と大きく伸びている。

 同社によると、人材サービス業界は新型コロナ下では政府の支援策に下支えされて命脈を保っていたものの、コロナ明けに状況が一変。求人市場が活発化する一方で、人材不足と過当競争が顕著になり、21年度から3年連続で倒産が増える皮肉な事態となっている。

 近年は派遣会社などを通さず、直接雇用で人材確保に動く企業も増えており、スキマバイトなどの勢力拡大も従来型の業界シェアを侵食している。労働市場は空前の売り手市場になっているが、それが業界の淘汰を促す作用も果たしており、人材サービスの果たす役割は大きく変わりつつあるようだ。

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