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2025年1月21日

労働力減少時代における派遣事業者の役割を考察、派遣協の「2025年新春セミナー」

n250121.jpg 日本人材派遣協会(川崎健一郎会長)の「2025年新春セミナー」が21日、法政大学経営大学院の山田久教授を招いて東京国際フォーラムで開かれ、人口減少時代に派遣事業者が果たす役割について考察した。質疑応答では、参加者とリアルタイムで質疑応答が交わせるシステムを活用。リスキリング(学び直し)の重要性や人材ビジネスに期待される機能と求められる要件などについて掘り下げた=写真

 セミナー開催にあたり川崎会長は「1985年に派遣法が制定されて40年が経過し、幾多の改正を重ねるなかで業界は一定の成熟の領域までたどり着いた。いま、日本は人口減少に伴う労働力不足が加速しており、派遣業界がこの社会課題に向き合ってどのような機能を発揮していくか、未来を見通すタイミングに来ている」と強調。「人的資源管理や人材戦略に知見を持つ山田氏の講演を通じて、次の一歩を探りたい」と述べた。

 日本総合研究所の副理事長などを歴任し、政府の有識者会議の委員を務める山田氏は、「労働力減少時代の人材戦略」と題して講演。労働力不足の現状と原因を分析したうえで、人材確保に向けた対応策として多様な人材活用、生産性向上、人的資本投資の3つを挙げて要所を解説。人的資本投資においてはリスキリングの重要性に言及し、「リスキリングの本質は雇用維持か労働移動か、個人主導か企業主導かに関わらず、時代の変化が要請する事業構造の転換が求めるスキルと技能を継続して身に着けることが大切」と説いた。

 そして、労働力不足が深刻化するなかで、人材ビジネスの機能である「マッチング」「キャリア・スキル形成支援」「外部労働市場の形成」に磨きをかけていくことを期待。そのためにも、どのような産業や事業でいかなるスキル・技能が求められるかといった労働市場に関する積極的な情報収集のほか、「経験とスキルのあるキャリア・アドバイザーの育成や公正な職種別労働市場をつくるという使命感が必要」と助言した。

 続いて、川崎会長を交えてディスカッションを展開。リアルタイムに参加者の声を収集しながら、闊達な質疑応答を繰り広げて理解を深めた。

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