帝国データバンクが9日発表した人手不足倒産の動向調査によると、昨年1年間の倒産は342件(前年比82件、31.5%増)となり、3年連続で増えて過去最高となったことがわかった。建設・物流業界が4割を占めている。
同社によると、人手不足を感じている企業は昨年12月時点でも53%の過半数を占めたまま高止まり状態が続いている。とりわけ、「2024年問題」に直面した物流業界は76%、建設業界は71%の高さで、両業界の倒産は42%にあたる145件に上った。
全団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」のように、労働者の高齢化も深刻で、今後も全体にマンパワーの拡大は期待しにくいという。
一方、東京商工リサーチが同日発表した介護事業者の昨年の倒産も172件(同50件、40.9%増)となり、22年の143件を上回る過去最高となった。訪問介護が81件で最も多く、通所・短期入所(デイサービス)が56件、有料老人ホームが18件など。
同社によると、ヘルパー不足に加え、集合住宅タイプとの競合、基本報酬のマイナス改定などが影響したとみられ、このまま推移すると「介護難民」を生むことも考えられる深刻な事態となっている。