ランサーズが22日発表した「インボイス(仕入れ額控除)制度に関する実態調査」によると、インボイス登録しているフリーランスは3割に満たず、見送っているフリーランスの多くが「経済的メリットを感じない」ことを理由に挙げていることがわかった。
昨年10月の制度開始以降、登録事業者のフリーランスはわずか28.7%。登録していない人に理由を聞いたところ、「経済的メリットを感じない」が20.5%で最も多く、「事務負担が増える」が14.4%、「制度の理解がいまいち」が13.4%など(複数回答)。登録した人の場合も、取引先からの発注・業務量の変化は71.8%が「ない」と答えている。
今後の導入の可能性についても、51.9%が「ない」と回答、「条件が整えば検討する」の45.4%を上回った。同社は「登録によって期待された取引の透明性、信頼性の向上といった効果が限定的なため」と分析し、導入による長短所を明確に感じているフリーランスの少ないことを挙げている。
調査は10月28~11月1日に実施し、同社に登録している617人の有効回答を集計した。
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