東京商工リサーチが21日発表した「雇用調整助成金(雇調金)」不正受給企業調査によると、前回(8月末)調査から10月末までに75件増え、2020年4月以降の累計で1446件、取り消された不正受給額が463億7025万円になることがわかった。今年1~10月の累計は526件(前年同期比50件減)でピークアウトの兆候もみられるという。
累計のタイプ別件数では、「雇調金」だけの不正が833件と約6割を占め、「緊急雇用安定助成金」が198件、「両方」が415件。業種別では「飲食業」が最多の155件で、「建設業」が141件、人材派遣など「他のサービス業」が107件で続いている。
同社によると、全国の労働局の遡及調査で発覚した不正は非公表企業を含めると今年9月末で3603件、815億5000万円にのぼり、コロナ禍の特例措置は23年3月に終わったものの、不正受給の公表は後を絶たない状態だ。