求人サイトに「犯罪実行犯」の募集と疑われる情報が掲載された問題で、厚生労働省は22日開かれた労働政策審議会労働力需給制度部会(山川隆一部会長)に、掲載防止に向けた対応方針と現状を報告した=写真。厚労省は今月6日、雇用仲介事業者や業界団体に対して、求人掲載前に業務内容の確認を十分に実施し、不審な点がある場合には掲載拒否や保留の対応をとること。また、掲載後も点検を継続し、「犯罪実行犯」の募集など違法・有害な情報を発見した際には、直ちに削除して警察と労働局に通報するよう要請しており、今後も状況を同部会に報告していく考えを示した。
同様の要請は昨年3月にも実施しているが、「犯罪実行犯」の募集がきっかけとなっている強盗事件が相次いでいることを踏まえて、あらためて厳重に通知した格好。厚労省はこの日の会合で、スポットワーク事業者のアプリに犯罪が疑われる掲載があったとして、「求人掲載前のチェックを徹底することが事案の発生を防ぎ、求職者を保護するうえで極めて重要」と強調。事業者が違法・有害な情報を放置し、求職者に誤解を生じさせた場合には労働局による指導・監督の対象になり得ると明言した。
報告を受けて労働者側委員は「闇バイトという言葉もあるが適切でない。国もマスコミも犯罪行為であることを若者に正しく伝えていくべき」と指摘。厚労省は「ソフトな印象、間違った印象を与えてはいけないと認識しており、今回の報告でも『犯罪実行犯』の募集という言葉を使っている」と述べた。
別の労働者側委員は「スポットワークについて厚労省は職安法の現行ルールでしっかりやるという説明をしているが、スポットワークという働き方が急拡大するなか、本当に現行の規制で十分なのか検討する必要がある」と指摘。厚労省は「事業者がしっかりと自らの責務を果たしていくべきであり、厚労省は指導・監督の権限を通じて求職者保護を確保していく」と回答。使用者側委員は「労働政策で対応することと、若者への教育という観点で実施することなど、政府全体で対応してもらいたい。また、スポットワークの規制については利用企業の実情も鑑みながら整理し、冷静に考えることが大切」との見解を示した。
このほか、この日は...
※こちらの記事の全文は、有料会員限定の配信とさせていただいております。有料会員への入会をご検討の方は、右上の「会員限定メールサービス(triangle)」のバナーをクリックしていただき、まずはサンプルをご請求ください。「triangle」は法人向けのサービスです。