エン・ジャパンが20日発表した10月の派遣平均時給(三大都市圏、募集時)は1701円(前月比0.2%減、前年同月比1.3%増)となり、26カ月連続で前年を上回ったが、7~9月と3カ月連続で過去最高を更新した勢いは4カ月ぶりに"一服"した。
職種別(大分類)では、オフィスワーク・事務系が1660円(前年同月比1.7%増)と2カ月連続で過去最高を更新。年末年始に向けた求人が増えたほか、衆院選のスタッフ需要もあって時給を押し上げた。同社によると、「10月始業」の求人が増え、時給水準の高い経験者向けの比率が増えた結果、時給全体を押し上げた。しかし、クリエイティブ系の1939円(同4.5%減)や医療・介護・福祉系の1445円(同2.4%減)など、7職種中4職種で前年を下回った。
同社によると、人材不足の要因として指摘されている「年収の壁」はパート・アルバイトが中心で、派遣スタッフはフルタイム勤務が多いことから影響は限定的という。ただ、今後はフルタイム以外の柔軟な勤務形態の求人が増える可能性があることから、派遣会社も「短時間」「週3日勤務」など多様な働き方のできる求人の選択肢を増やすことが求められる、と指摘している。
地域別では、関東が1749円(同0.3%減)、東海が1470円(同1.6%増)、関西が1501円(同0.1%増)となり関東のマイナスが続いている。
3大都市圏以外では北海道が1332円(同0.4%減)、東北が1273円(同1.3%増)、北信越が1243円(同2.9%減)、中国・四国が1321円(同0.6%増)、九州・沖縄が1316円(同1.5%増)となり、北海道と北信越がマイナスとなった。
一方、ディップが同日発表した10月3大都市圏の平均時給は1595円(前月比0.9%増、前年同月比0.5%増)だった。「はたらこねっと」の求人件数は約21.1万件(同3.2%増、同19.3%増)だった。
また、リクルートが15日発表した3大都市圏の10月派遣スタッフ平均時給(募集時)は1666円(前月比1.1%減、前年同月比1.4%増)となり、3カ月続いた過去最高が4カ月ぶりに止まった。「リクナビ派遣」の求人件数は約46万件。