労働者派遣法に基づき派遣元が「労使協定方式」を選んだ際に用いる本年度分の「一般賃金水準」のうち、ハローワーク統計の地域指数に誤りがあった問題で厚生労働省は30日、労使協定の見直しなどを行う派遣元に対する「支援策」の進ちょく状況(9月30日時点)をまとめた。賃金額の引き上げや差額の支払いを実施または実施が確定している事業所は127、派遣労働者は1242人で、引き続き丁寧にフォローアップしていく方針。同日開かれた労働政策審議会労働力需給制度部会(山川隆一部会長)に報告した=写真。
支援に伴う関連経費は総額7500万円と試算。「労働者の雇用の安定」「早急な対応の必要性」「事業主支援による措置」の観点から雇用保険二事業を用いて進めている。「支援策」と合わせて、デジタル技術の導入によるヒューマンエラーの排除など具体的な再発防止策も実施している。
このほか、この日はスポットワークについて、無断欠勤などがあった場合の無期限利用停止に関する厚労省の考え方を説明。「無期限利用停止は求職全件受理に反するので指導の対象。また、期限を設ける場合でも一律に停止期間を設定するのではなく、個々の事情に応じた対応が求められる」と、全件受理および適格紹介の観点からあらためて事業者に周知していく考えを示した。また、未然防止には事業者の自主的なコンプライアンス意識が必要として、業界団体と引き続きコミュニケーションをとって認識を共有していくことを強調した。
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