厚生労働省は25日、2021年3月に卒業して就職した学生の3年以内の離職状況を発表した。それによると、大卒の離職率は34.9%(前年比2.6ポイント増)、高卒は38.4%(同1.4ポイント増)、中卒は50.5%(同2.4ポイント減)となった。大卒は3年連続の増加で05年卒の35.9%に次ぐ高さ。高卒は2年連続の増加で17年卒の39.5%に次ぐ高さとなった。コロナ以後の景気回復と人手不足を背景に、若者の転職活動が活発化した結果とみられ、昨年からの流れが加速している。
大卒の場合、1年目の離職率は12.3%、2年目は12.3%、3年目は10.3%で、1年目の比率が前年より1.7ポイント、2年目が1.0ポイント上昇しており、早期離職傾向が強まっている。
企業規模が小さくなるほど離職率が高くなる傾向は例年と同じ。大卒の場合、従業員1000人以上の大企業が28.2%(同2.1ポイント増)だったのに対して、同5~29人の中小企業では52.7%(同3.1ポイント増)と半数を超え、同5人未満の零細企業になると59.1%(同5.0ポイント増)と前年を大きく上回った。
産業別では例年と同様に、宿泊・飲食サービス業が56.6%(同5.2ポイント増)で最も高く、生活関連サービス・娯楽業も53.7%(同5.7ポイント増)と大きく上昇している。これに対して、電気・ガス業は12.5%(同2.0ポイント増)、製造業は20.6%(同1.6ポイント増)と他産業よりは低いものの上昇。その他を除く17産業のうち鉱業等を除く16産業で前年を上回っている。