エン・ジャパンが16日発表した9月の派遣平均時給(三大都市圏、募集時)は1704円(前月比0.1%増、前年同月比1.2%増)となり、7~8月に続き3カ月連続で過去最高を更新し、25カ月連続で前年を上回った。同社によると、「10月始業」の求人が増え、時給水準の高い経験者向けの比率が増えた結果、時給全体を押し上げた。
職種別(大分類)では、営業・販売・サービス系が1618円(前年同月比1.9%増)、オフィスワーク・事務系も1658円(同1.5%増)で過去最高を更新。軽作業・物流等も1318円(同1.9%増)と伸びた。一方、クリエイティブ系は1937円(同2.9%減)、技術系も1978円(同2.5%減)など、8月からの低下傾向が続いており、7職種のうち4職種がマイナスだった。
しかし、政府が掲げる「平均最低賃金1500円」目標に対して、これを下回る業種は医療・介護系と軽作業・物流等系の2業種だけとなっている。前者は介護報酬の制限があり、後者は生産性向上に向けたロボット化やDX化が進まないことが要因とみられることから、同社は「国による政策的な支援が不可欠」と指摘している。
地域別では、関東が1740円(同1.4%減)、東海が1462円(同1.3%増)、関西が1498円(同0.7%減)となり、6~8月と同様に関東と関西がマイナスになった。
3大都市圏以外では北海道が1324円(同0.2%増)、東北が1251円(同0.5%減)、北信越が1226円(同1.6%減)、中国・四国が1311円(同0.1%減)、九州・沖縄が1312円(同1.3%増)となり、北海道がわずかながらプラス転換した。
一方、リクルートが15日発表した3大都市圏の9月派遣スタッフ平均時給(募集時)は1685円(前月比1.0%増、前年同月比3.1%増)と3カ月連続で伸びて過去最高を更新。全6職種で前年比はプラスとなった。