日本生産性本部が11日発表した「生産性に関するビジネスパーソンの意識調査」によると、賃上げの実感が物価上昇に見合ったものになっているかどうか聞いたところ、「見合っていない」が57.1%で、「見合う」の32.8%を大きく上回った。2年連続の大幅賃上げも、物価上昇の勢いにまだ追い付いていないようだ。
ただ、役職によって濃淡があり、経営層は「見合う」が53.7%と過半数を超えたのに対して、管理職は「見合っていない」が60.4%、非管理職も「見合っていない」が65.6%の大勢を占めた。一般に役職が下がるほど賃金水準が下がるため、賃上げの恩恵を実感できない層の多いことがうかがわれる。
持続的な賃上げ実現への取り組みについては、「コスト上昇分を価格転嫁して収益を確保する」が30.4%で最も多く、「働く人のスキルアップ・リスキリングなど、能力開発を支援する」が29.2%、「最新技術導入やプロセス改善による生産性の向上」が23.2%で続いた(複数回答)。
調査は6月21~25日、従業員300人以上企業の経営層、管理職、非管理職の約3000人を対象に実施した。