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2024年10月10日

ジョブ型雇用とシニア人材の戦力化 今野氏が基調講演、JEED公開シンポ

 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)は10日、2024年度「生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム」をオンラインで開いた。3回予定で、初回は「ジョブ型人事から考える~シニア人材の戦力化」。

 学習院大学の今野浩一郎名誉教授が基調講演。多くの企業は定年後の継続雇用でシニアを「福祉的雇用型」扱いをしており、「ジョブ型」の戦力扱いする必要があること。シニア社員は「社内中途採用者」として自分の"売り"をアピールできるキャリアビジョンの転換が必要なこと。これらを強調し、双方に求められる「覚悟」を促した。

 具体的な取り組み事例として資生堂の谷圭一郎氏▽日立製作所の神山靖基氏▽三菱マテリアルの廣川英樹の3人が各社の取り組みぶりを説明。テーマは主にジョブ型人事制度の導入と課題に集中し、3人とも制度の浸透には「上司と部下の信頼関係と不断のコミュニケーション、経営トップのコミットメント」の重要性を挙げた。

 また、「自分のキャリアは自分で作り、会社はそれを支援する時代」(神山氏)、「長年続いた年功序列制度からの転換にストレスを感じる社員も多い」(廣川氏)、「日本の労働制度下でのジョブ型は困難も多い」(谷氏)といった課題も述べた。

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