東京商工リサーチが7日発表した老人福祉・介護事業の倒産調査によると、24年度上半期(4~9月)の倒産は95件(前年同期比38件増)で、これまでの最多だった22年度上半期の73件を大きく上回る記録的な多さとなった。
業種別では「訪問介護」が46件(同12件増)で最も多く、次いで「通所・短期入所」の33件(同17件増)など。ヘルパー不足が長期化しているうえ、ガソリン代などのコスト上昇、24年度の介護報酬改定で基本報酬が引き下げられたことなどが要因とみられる。
個人企業を含む資本金1000万円未満が83件、従業員10人未満が81件など、小規模・零細事業者の行き詰まりが目立つ。
暦年ベース(1~9月)でも132件と昨年年間の122件をすでに上回っており、最多だった22年の143件を抜くことは確実だ。同社は「国などによる効率化や人材獲得の支援が欠かせない」と提言している。