厚生労働省が1日に発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント低下の1.23倍だった。今年は3月の1.28倍からほぼ毎月緩やかに低下しており、5月以降は1.23~1.24倍で推移している。慢性的な人手不足に対して、企業側が求人募集からIT化などの省力化に舵を切ったのが一因とみられる。
企業側の有効求人数約234万人(原数値、前年同月比4.5%減)に対して、有効求職者数は約191万人(同0.0%)。都道府県別(就業地別)の倍率は福井県の1.87倍が最高で、最低は大阪府の1.03倍だった。
新規求人倍率は前月比0.10ポイント上昇の2.32倍だった。新規求人数(原数値)は前年同月比6.5%の減少。産業別では「情報通信」が同1.4%増と増えたぐらいで、「宿泊、飲食サービス」が同23.5%減、「生活関連サービス、娯楽」が同12.3%減、「製造業」が同10.5%減となり、全11産業のうち10産業でマイナスとなった。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.01倍だった。
8月完全失業率は2.5%、再び低下
総務省が1日発表した8月の就業者数は6815万人で、前年同月比42万人増と25カ月連続の増加。完全失業者は175万人の同11万人減で、5カ月ぶりの減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.2ポイント低下の2.5%と、6月と同じ水準になった。今年は年初から2.4~2.6%の間で推移しており、7月は一時的に2.7%に上昇したものの、再び低下。事実上の完全雇用状態になっている。自発的な離職者の就業が増えたためとみられる。
男女別では男性が2.5%、女性が2.4%で、男性は前月比0.2ポイント、女性も同0.2ポイント低下した。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5786万人のうち、正規従業員は3659万人(前年同月比22万人増)で10カ月連続の増加。これに対して非正規従業員は2127万人(同13万人増)と4カ月ぶりに増加し、非正規比率は36.8%(同0.0ポイント)となった。
非正規の内訳はパートが1044万人(同7万人増)、アルバイトが473万人(同4万人増)、契約が270万人(同2万人増)、派遣が148万人(同2万人減)、嘱託が109万人(同3万人増)となり、派遣以外は増えた。