マイナビが27日発表した「企業におけるビジネスケアラー支援実態調査」によると、企業の人事・労務担当者が来年4月施行の改正「育児・介護休業法」(育介法)について9割以上が知っているものの、改正内容まで理解している人は55%程度にとどまることがわかった。改正育介法では育休関係のほか、「介護離職防止に向けた仕事と介護の両立支援強化」が盛り込まれている。
ビジネスケアラーに対して、「十分な支援制度がある」企業はわずか11.5%で、「制度はあるが、見直しが必要」が24.4%、「制度はなく、早急に取り組む」が25.6%と両者を合わせると半数に上った。
具体的な支援策としては「介護をする社員に合わせ、フレックスタイムなど勤務時間の調整が可能」が45.5%で最も多く、「介護休暇・休業の取得の流れを社内に周知」が41.9%、「テレワーク・リモートワークなど柔軟な勤務体制がある」が38.5%など(複数解答)。
経済産業省の試算では、「仕事と介護の両立」「介護離職」による経済損失は2030年に9.2兆円に上ると予測され、ビジネスケアラーへの支援の必要性が指摘されているものの、出産・育児支援に比べると遅れているのが実情のようだ。同社は「まず経営者や管理職が社員・部下の実態を把握しやすい環境を作りながら、課題に向き合うことが必要」と分析している。
調査は7月12~14日に実施、人事・労務担当者618人に聞いた結果を集計した。