厚生労働省が25日発表した2023年「若年者雇用実態調査」によると、初めて勤務した会社に現在も働いている若者は55.5%(前回18年比4.6ポイント増)で、勤務していない人は42.7%(同4.7ポイント減)だった。"非転職組"は過去10年で最も高く、20年に勃発した新型コロナ事件の影響があるとみられる。
"転職組"に辞めた理由を聞いたところ、「労働時間・休日・休暇の条件」が28.5%、「人間関係」が26.4%、「賃金の条件」が21.8%、「仕事が合わない」が21.7%など(複数回答)。1年未満で辞めた人は「人間関係」が最も多く、1~10年未満では「労働時間・休日・休暇」が最も多かった。
転職志向について、現在の会社から「転職したいと思っている」人は31.2%(前回比3.6ポイント増)、「思っていない」は30.3%(同2.9ポイント減)と転職希望者の比率は過去10年で最多。理由は「賃金の条件」が59.9%、「労働時間・休日・休暇の条件」が50.0%で、就労条件のもっとよい会社を目指していることがわかった(複数回答)。
企業調査でも過去1年間に若手社員の自己都合退職のあった会社は40.9%(同4.0ポイント減)あり、産業では生活関連サービス・娯楽業、情報通信業、卸売・小売業など、従業員の"出入り"の激しい業界で高くなっている。
調査は5年ごとに実施。今回は常用労働者5人以上で若年労働者(15~34歳)のいる1万7355事業所、2万2958人を対象に昨年10月時点の状況を聞き、7867事業所(回答率45.3%)、1万3218人(同57.6%)の有効回答を集計した。