マイナビが20日発表した2024年版「派遣社員の意識・就労実態調査」によると、派遣社員の半数近くが派遣就労の継続を望んでおり、正社員希望者の8割以上が「正社員の壁」を感じていることが分かった。派遣の待遇改善や人手不足を背景にした雇用安定などにより、一時期ほど正社員を希望する人は少なくなっているようだ。
今後の雇用形態について、「今後も派遣で」と答えた人は48.2%(前年比3.9ポイント増)だった一方、「正社員で」は26.6%(同3.2ポイント減)に低下した。派遣希望者にとっては、「時間的なゆとりがある」「飲み会など人間関係で悩まない」「働き方に多様性がある」などが理由になっている。
一方、正社員希望者の9割近くは「正社員になるのはむずかしい」と感じており、理由は「正社員には年齢制限がある」「今のスキルでは不足」「正社員になった人をあまり見ない」などを挙げる人が多かった。自らのスキル不足で正社員になる自信のない人がかなりいることがうかがえる。
しかし、現在の派遣元のスキルアップ制度の利用については71.9%が利用しておらず、同社は「"正社員の壁"は派遣社員のアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)による部分もあるのでは」と指摘している。
調査は7月9~16日に実施、20~59歳の派遣社員の男女1400人の回答を集計した。