厚生労働省は6日、2024年版「労働経済の分析」(労働経済白書)を発表した。今年のテーマは「人手不足への対応」で、現在の人手不足は労働時間の短縮や人口減少を背景に、2010年代から「長期かつ粘着的」に続いていると分析。23年には広い範囲の産業・職業で生じているが、中小企業から大企業への労働移動が増えており、人手不足が賃金引き上げにつながる可能性を示唆した。
緩和策として、約460万人いる「就業希望はあるが求職していない無業者」に着目。その中心となっている女性や高齢者は非正規雇用が多く、賃金や休日などの総合的な待遇改善の必要性を指摘している。
代表的な人手不足産業である介護、小売り・サービス分野の場合は、不足緩和に向けて「離職率の低下」が重要と指摘。賃金や労働時間だけでなく、職員の負担を軽減する機器の導入、相談体制や研修、給与制度の整備など、きめ細かい環境・条件の改善を提言している。