2024年度の最低賃金(最賃)の改定額が29日、全都道府県で出そろい、引き上げ額は(全国加重平均)過去最高の51円(5.1%)で、1055円になった。27県で中央最低賃金審議会が示した「50円」の目安を上回り、1000円超えは16都道府県に倍増した。10月中に順次適用される。
新たな最賃の最高額は東京都の1163円、最低額は秋田県の951円。1000超えはこれまで都市部が中心の8都府県のみだったが、今回、北海道、茨城、栃木、岐阜、静岡、三重、滋賀、広島の8道県が大台に乗せた。引き上げ額の最も高いのは徳島県の84円で、896円から980円となった。
最賃の引き上げ額は同審議会が都道府県を経済情勢に応じてA~Cランクに分けて「目安」を示し、これを参考に各地方審議会が決める。今年度の目安は「一律50円、1054円」だったが、人手不足が深刻な地域の上乗せが相次ぎ、平均はさらに1円上がった。ただ、2年連続の大幅引き上げにより、地方の中小企業などでは一層の人件費対策を迫られ、経営が厳しさを増す企業が増えそうだ。