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2024年8月 2日

「過労死防止大綱」の改定版を閣議決定、残業規制の順守など明記

 政府は2日、過労死や過労自殺を防ぐ施策をまとめた「過労死防止大綱」の改定版を閣議決定した。残業の上限規制の対象外だった自動車運転業や建設業、勤務医などにも今年4月から適用され、全業種を網羅したことを受けて「順守徹底を求める」との文言を新たに明記。過酷な待遇が問題視されている「芸術・芸能分野」について、特に対策が必要な「重点業種」に盛り込んだ。

 「過労死防止大綱」は、社会経済情勢の変化や過労死の諸情勢を踏まえ、おおむね3年ごとに見直している。今回の改定版では、企業に属さないフリーランス(個人事業主)を保護するため、健康管理や労災保険の特別加入に取り組むほか、11月施行の「フリーランス新法」の周知を徹底する。

 また、終業から次の始業までに一定の休息時間を設ける「勤務間インターバル」は、導入が進んでいない実情を踏まえ、企業のメリットの周知・啓発を対策に加えた。法制化も視野に入っているカスタマーハラスメント(カスハラ)については、被害者が受ける心理的負荷の調査に着手する方針だ。


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