厚生労働省が30日に発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント低下の1.23倍だった。2022年3月当時の水準で、3カ月連続の低下。昨年11月~今年1月に1.27倍の3カ月連続で横ばいが続いた後、3月は一時的に1.28倍に上昇したが、4月以降は低下傾向が続いている。
企業側の有効求人数約234万人(原数値、前年同月比4.4%減)に対して、有効求職者数は約202万人(同1.4%増)。慢性的な人手不足を背景に、待遇の良い業種への転職を目指す求職者が増えた一方、原材料費高騰などで製造業や建設業などの業種で求人を抑制したためとみられる。都道府県別(就業地別)の倍率は福井県の1.85倍が最高で、最低は大阪府の1.02倍だった。
新規求人倍率は前月比0.10ポイント上昇の2.26倍だった。新規求人数(原数値)は前年同月比9.4%の大幅減。産業別では製造業の同14.6%減、生活関連サービス・娯楽業の同13.7%減、建設業の同12.8%減など、全11産業でマイナスとなった。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ1.00倍だった。
6月完全失業率は2.5%、5カ月ぶり低下
総務省が30日発表した6月の就業者数は6822万人で、前年同月比37万人増と23カ月連続の増加。完全失業者は181万人の同2万人増で、3カ月連続の増加となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の2.5%となり、5カ月ぶりに低下した。23年後半と同水準。男女別では男性が2.6%、女性が2.4%で、男性は前月比0.3ポイント低下、女性は同0.1ポイント上昇した。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5790万人のうち、正規従業員は3669万人(前年同月比31万人増)で8カ月連続の増加。これに対して非正規従業員は2121万人(同12万人減)と2カ月連続の減少で、非正規比率も36.6%(同0.4ポイント減)となった。
非正規の内訳はパートが1029万人(同1万人減)、アルバイトが470万人(同6万人増)、契約が272万人(同17万人減)、派遣が153万人(同0万人)、嘱託が111万人(同3万人減)となった。契約や嘱託などが減った一方、アルバイトなどが増えた。