厚生労働省は25日、2023年度「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果」を発表した。それによると、対象となった2万6117事業場のうち、44.5%にあたる1万1610事業場で違法な時間外労働を確認、是正・改善の指導を行った。この件数は22年度の42.6%を1.9ポイント上回っている。
違法事業場の中には、5割近い5675事業場で1カ月あたり80時間を超える残業・休日労働があった。さらに、同100時間を超えたのが3417事業場、同150時間を超えたのが737事業場、同200時間を超えたのが35事業場となっている。最も多かった業種は「商業」の4869事業場で、次いで「製造業」が3958事業場、「接客娯楽業」が2687事業場となり、前年度と同じだった。
ほかの違反としては「賃金の不払い」が1821事業場、過重労働による健康障害防止措置の未実施が5848事業場で認められた。