ニッセイ基礎研究所は24日、オンラインセミナー「仕事と介護の両立支援を考える~多様な問題に対応可能な仕組みづくりに向けて」を開いた。5月末に成立した改正育児・介護休業法の深堀りを目指すもの。
同研究所の三原岳上席研究員が、毎年10万人弱が「介護離職」していること、制度の存在を知らないために離職した人が多いこと、介護には必ずしもまとまった休暇はなくてもいいこと、などを説明した。
続いて、労働政策研究・研修機構の副統括研究員で改正育介法の審議にも携わった池田心豪氏は、育児休業と介護休業の違いを並べて比較。介護の場合は「なるべく仕事」が基本と強調した。
そのうえで、企業にとって、育児休業は社員の取得を想定しやすいのに対して、介護休業は個々の社員の事情によって必要な休暇などが異なり、基本的に企業側は制度を用意しておくものの、実際の利用については社員側の「自主性」に任せておくべき制度、と解説した。ただ、介護が必要になった社員が相談しやすい職場の空気醸成は必要、とも強調した。