厚生労働省は12日、2023年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」を発表した。それによると、総合件数は121万400件(前年度比3.0%減)に減ったものの、4年連続の120万件台という"高止まり"状態が続いていることがわかった。
近年の総合件数は20年度に約129万件の過去最高を記録して以来、21年度は約124万件、22年度も125万件。23年度は3%減となったものの、120万件台の"高止まり"が続いている。
そのうち、民事上の個別紛争相談は26万6160件(同2.2%減)に減った一方、労働基準法違反が疑われる件数は19万2972件(同2.4%増)に増えた。
相談件数(延べ31万4034件)のうち、最も多かったのは「いじめ・嫌がらせ」の6万113件(同14.0%減)で、前年より大きく減ったものの、12年連続のトップが続いている。次いで「自己都合退職」の4万2472件(同0.5%減)、「解雇」の3万2943件(同3.4%増)となり、例年と同じ傾向だった。
これら主要案件については、労働局長による助言・指導の申し出が8346件あり、実際に8264件について処理した。また、紛争調停委員会によるあっせんについても、申請が3687件あり、3681件について処理した。
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