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2024年7月 8日

実質賃金1.4%減、26カ月連続 賃上げ効果見られず、毎勤5月速報

 厚生労働省が8日発表した毎月勤労統計の5月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は29万7151円(前年同月比1.9%増)で29カ月連続のプラスとなった。しかし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100)は85.2(同1.4%減)で26カ月連続のマイナス。春闘の賃上げ効果は見られないまま、依然として過去最長を更新し続けている。

 大幅な物価上昇によって実質賃金は23年1月の同4.1%減を最大にマイナスが続いており、今年になってもプラス転換していない。今春闘で相次いだ大幅賃上げの効果が4月以降に徐々に出て来るとみられ、所定内給与(基本給)は少し伸びているものの、全体のプラス転換には寄与していない。

 給与額のうち、基本給などの所定内給与は26万3539円(同2.5%増)で、残業代などの所定外給与は1万9441円(同2.3%増)。ボーナスなどの特別給与は1万4171円(同8.5%減)となり、所定内給与は賃上げ効果で伸びが増したものの、特別給与のマイナス幅が大きかった。

雇用形態別の総額は、正社員が中心の一般労働者は37万8803円(同2.1%増)、パートタイム労働者は10万8511円(同3.2%増)となり、パートの伸びが目立った。

 産業別で伸びが大きかったのは「建設」の39万3123円(同7.2%増)、「運輸・郵便」の33万8340円(同5.7%増)ぐらい。「複合サービス」の31万9566円(同6.3%減)など、16産業のうち4産業がマイナスだった。

 月間総実労働時間は137.1時間(同1.2%増)。月末の常用労働者数は5081.3万人(同1.3%増)で、パートタイム比率は30.26%(同0.29ポイント増)だった。

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