厚生労働省が28日発表した2023年度「過労死等の労災補償状況」によると、労災の請求件数4598件(前年度比31.9%増)に対して支給決定件数は1097件(同21.3%増)といずれも大幅に増えたことがわかった。支給決定件数には死亡・自殺が135件(同11.6%増)含まれている。
このうち、脳・心臓疾患では請求1023件(同27.4%増)に対して支給決定件数は214件(同10.3%増)で、うち死亡は56件だった。
精神障害では請求3575件(同33.2%増)に対して支給決定件数は883件(同24.4%増)で、うち自殺は79件あった。請求の多い業種(中分類)は「社会保険、社会福祉、介護事業」の494件がダントツで、次いで「医療業」の391件。職種では「一般事務」の582件が最多だった。
医療・福祉分野で精神障害の多いのは、単に勤務時間が過剰なだけでなく、職場の人間関係や医療・介護の対象者とのトラブルなども重なる場合が多いとみられ、総合的な就労環境の改善が必須の状況だ。