2024年度の最低賃金を決める厚生労働省の中央最低賃金審議会が25日開かれた。同審議会内の目安に関する小委員会(藤村博之委員長)で審議し、7月下旬に引き上げ額を提示する予定。物価高による実質賃金のマイナスが続く中、過去最高となった前年度以上の引き上げになるかどうか注目される。
目安小委は、全都道府県を3ランクに分けて引き上げ額の目安額を提示。これを参考に、都道府県ごとの審議会が改定額を決め、10月から順次適用される。小委は7月に3回ほど審議し、下旬に提示する見込みだ。
昨年度の改定額は全国加重平均で過去最高の43円(4.5%)の引き上げとなり、初めて1004円と1000円台を超えた。ただ、最も高い東京都の1113円に対して、最も低い岩手県などは893円と大きな格差が生じてしまい、「地方企業の人材不足に拍車を掛けている」との指摘もあり、目安小委の判断が焦点になりそうだ。
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