東京商工リサーチが21日発表した企業の「値上げ等」に関する調査によると、主力商品・サービスについて今年値上げした・値上げ予定の企業は7割を超え、値上げ予定のない25%を大きく上回ることがわかった。
「値上げした」企業はすでに半数の50.6%に達し、「年内に値上げ予定」が24.3%、「予定はない」が25.1%だった。「値上げ」企業は75%近くに達し、企業規模では大企業の73.2%に対し、中小企業は75.0%と中小の比率が大手をわずかに上回っている。
業績予想では「増収」の39.9%に対して、「増益」は32.7%にとどまり、物価上昇や人件費増に対する対策をコスト削減だけではカバーできず、値上げに踏み切る企業の多いことがうかがえる。商品・サービスの値上げは最終的に消費者物価に反映されることから、労働者の実質賃金のプラス転換を遅らせる懸念もある。
調査は3~10日に実施し、5526社の有効回答を集計した。資本金1億円以上を大企業、同1億円未満を中小企業に区分している。