ホワイトカラーを中心とした民間職業紹介の事業者団体・日本人材紹介事業協会(林徹郎会長)は12日、東京都内で2024年度定時総会を開いた=写真。任期満了に伴う役員改選で、林会長(ワークポート社長)をはじめ、副会長の岩下順二郎氏(リクルート取締役兼常務執行役員)と藤井太一氏(ACR社長)を再任した。事業者のあるべき姿や会員企業への支援機能強化策を検討する「未来プロジェクト」を土台に、本年度は同プロジェクトから派生した研究組織を立ち上げ、紹介事業に関するデジタル技術の活用や雇用契約にとらわれない「雇用類似」の仲介などについて考察を深める。
前年度始動した「未来プロジェクト」は、職業安定法に基づく許可事業の職業紹介事業とそれ以外の雇用仲介サービスが近似してきていることが背景にある。この状況はAIの進化と併せて今後さらに発展する可能性があるため、本年度も継続して議論を深める。併せて、派生組織を並走させながら時流をつかんだレベルの高い的確なマッチングに磨きをかけていく方針だ。
総会で林会長は、「年間を通して業績は過去最高を更新しているが、後半につれてIT通信分野などで鈍化。建設・不動産などでは成長が見られ、転職者は高年齢化している」と足元の業況を分析。「22年施行の改正職安法で募集情報等提供事業が届け出制となり、次第に可視化されているなかで、求職者にとってわかりにくい職業紹介事業との明確な違いの提示や、両事業のイコールフッティングなども、優先的に取り組んでいかねばならない重要課題だ」と強調した。
総会後の特別講演では、日本プロサッカーリーグの村井満・元チェアマンで、現在は日本バドミントン協会会長が「先の見えない時代の経営観~Jリーグの朝礼より~」と題して講演した。村井氏は、元・リクルートエージェント社長で人材協理事の要職も務めていた。
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