労働者派遣法に基づき派遣元が「労使協定方式」を選んだ際に用いる本年度分の「一般賃金水準」のうち、ハローワーク統計の地域指数に誤りがあった問題で厚生労働省は7日、労使協定の見直しを行う派遣元に対する「支援策」をまとめた。支援に伴う関連経費を総額7500万円と試算し、「労働者の雇用の安定」「早急な対応の必要性」「事業主支援による措置」の観点から雇用保険二事業を用いる。同日、労働政策審議会労働力需給制度部会(山川隆一部会長)に支援措置の理由と内容を説明し、「総合的に判断してやむを得ない」として了承を得た=写真。
いわゆる「同一労働同一賃金」に伴う2020年4月施行の改正派遣法は、派遣労働者の賃金や待遇について「派遣先均等・均衡」(派遣先方式)か「派遣元による労使協定」(労使協定方式)のいずれかの待遇決定方式を義務化。この選択制2方式のうち、「労使協定方式」を採用した場合には、局長通達として毎年示す一般賃金水準(職種別平均賃金・地域指数)より「同等以上」であることが要件となる。運用されている賃金水準の基になっているのは、「職業安定業務統計」(ハローワーク統計)と「賃金構造基本統計調査」(賃構統計)の2種類。
今回の訂正は、このうちの「ハローワーク統計」の地域指数に関するもので、434所分のうち275所に誤りがあった。これに伴い、本来より低く算定していたのが121所、高く算定していたのは154所。厚労省によると、ハローワーク別地域指数の算定に必要なデータをシステムからダウンロードして集計ソフトに移す際、集計には用いない東京労働局管内の付属施設のデータを1カ所削除しなかったため、神奈川労働局管内ハローワーク以降の集計において、1行ずれた欄の数値が集計されて算定に誤りが生じた。
支援策の概要は、ハローワーク別地域指数の訂正に伴って派遣元が賃金制度の整備・改善に取り組んだ場合、それに要する経費を助成。(1)雇用する派遣社員の人数に関係なく共通してかかる経費、(2)雇用する派遣社員の人数に応じてかかる経費負担――を支援する。この日の部会では...
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