パーソル総研が5日発表した「カスタマーハラスメント(カスハラ)に関する調査」によると、顧客サービス職のカスハラ被害を過去に受けた人は35.5%あり、そのうち20.8%が過去3年以内に受けたことがわかった。3年以内の経験で最も高い職種は「福祉系専門職員(介護士、ヘルパーなど)の34.5%で離職率も高く、カスハラの深刻さを見せつけている。
福祉系についで高いのは「顧客サービス・サポート」の30.7%、「受付・秘書」の30.0%など。主な被害内容は「暴言、脅迫的な発言」の60.5%と「威嚇的・乱暴な態度」の57.7%の二つがダントツに多かった。
現場での対応は「ただ我慢した」が37.0%で最も高く、事後対応では「社内の上司に相談した」が41.5%を占めたが、「特に何もしなかった」も41.3%に上った。また、上司らに相談しても事実確認のヒアリングなどはしてくれたものの、「何も対応しなかった」が36.3%、「被害を認知していなかった」も19.3%あり、「ひたすら我慢を強要された」などのセカンド・ハラスメント経験者が25.5%に上るなど、カスハラ対策の遅れを浮き彫りにしている。
調査は2月・3月に実施。顧客サービス職種の20~69歳男女約2万人と、そのうち過去3年以内にカスハラ被害を受けた3000人の回答を集計した。