「子育て支援金」を中心にした子ども・子育て支援法などの改正法が5日、参院本会議で可決・成立した。政府が「少子化対策の切り札」と位置付ける政策で、児童手当の拡充などによる少子化対策の強化や、その財源を確保するための「支援金制度」の創設が盛り込まれている。
今国会の重要広範議案のひとつであった同改正法は、この日の参院本会議で採決が行われ、自民・公明両党などの賛成多数で成立。また、支援金の成果・効果を検証し、適切に見直しを実施することなどを求める付帯決議が衆参両院の内閣委員会で可決された。「支援金制度」の財源は医療保険料に上乗せして徴収し、2026年度から段階的に運用。企業で働く年収600万円の被保険者の負担額は28年度で月額1000円になると試算されている。政府は「歳出改革などで実質的な負担は生じさせない」と説明しているが、野党は「事実上の増税」と反対していた。
改正法の主な内容は、児童手当の所得制限を24年12月の支給分から撤廃、対象を18歳まで拡大するほか、働いていなくても子どもを保育園などに預けることができる「こども誰でも通園制度」を導入する。また、家族の介護や世話をしている「ヤングケアラー」も、国や自治体による支援の対象とする。