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2024年6月 4日

一般社団法人「日本フリーランスリーグ」発足、「フリーランスが誇りを持って働ける社会を」西野理事長 実態調査や政策提言など発信

n240604_1.jpg フリーランスで働く人の実態調査や政策提言などを発信する一般社団法人「日本フリーランスリーグ」(FLJ)が発足。4日、厚生労働省で西野ゆかり理事長=写真上・左から2人目=や名誉会長で漫画家のやくみつる氏らが記者会見した。西野理事長は「団体の垣根を越えてフリーランスの働く環境をしっかり調査して課題を洗い出し、フリーランスが誇りをもって働くことができる社会をつくって業界全体の発展につなげたい」と強調。初めてのアンケートとなる「漫画家・イラストレーターの権利と出版社・テレビなどメディアの対応に関する緊急実態調査」の結果を公表した。

 「フリーランスは、日本を動かすエンジン!」をスローガンに掲げる同団体は、4月1日に設立。FLJは、フリーランスで働く人の現場を精緻に調査し、労働環境の改善、予期せぬ出来事にも対応できる安全網の強化、権利擁護などを進め、フリーランスの地位向上を目指す。併せて、発注側とフリーランス側双方のフェアな環境づくりを促進し、産業と業界の発展に向けて活動する。具体的には(1)フリーランスで働く人の各種実態調査の実施および政策提言(2)フリーランスで働く人の自立と組織化支援(3)発注サイドの啓発・教育支援(4)業種ごとにおける労働環境改善に向けた各種団体との連携(5)エージェント事業、調査請負事業等の収益事業(6)FLJの目的を達成するために必要な事業――を展開する。

n240604_2.jpg 会見では、名誉会長のやくみつる氏=写真下=が自身の体験談も交えながら契約書の必要性に触れ、「フリーランスやクリエーターの力が見直されているなかで、不安を抱いて仕事を続けざるを得ない人たちがいる状況は、多くの力を集めて改善しなければならない」などと呼び掛けた。また、FLJのアドバイザーを務める労働政策研究・研修機構の呉学殊統括研究員が、契約書を含むフリーランスの環境整備で先行する韓国の施策を紹介した。

 この日は、「漫画家・イラストレーター」に関するアンケート調査の結果も公表され、約4人に1人が出版社・テレビなどのメディアと厳しい条件で契約を締結している実態が浮き彫りになったほか、著作権や著作者人格権について取引先とトラブルになった経験をたずねた質問(複数回答)で「無断で二次転用された」が20.6%、「氏名表示権の侵害があった」が14.0%だった。調査は4月22日から5月8日で、570人から回答があった。

一般社団法人 日本フリーランスリーグ


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