厚生労働省が31日に発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント低下の1.26倍だった。2022年央並みの水準で、2カ月ぶりに低下した。昨年11月~今年1月に1.27倍の3カ月連続で横ばいが続いた後、2~4月はわずかな上下を繰り返す"一進一退"の状態が続いている。
企業側の有効求人数約240万人(原数値、前年同月比3.6%減)に対して、有効求職者数は約203万人(同1.7%増)。都道府県別(就業地別)の倍率は福井県の1.94倍が最高で、最低は大阪府の1.05倍だった。
新規求人倍率も前月比0.21ポイント低下の2.17倍だった。新規求人数(原数値)は前年同月比2.3%減。産業別で増えたのは生活関連サービス・娯楽業の同3.4%増、医療・福祉の同1.4%増、情報通信業の同0.4%増だけ。製造業の同7.8%減、教育・学習支援業の同7.4%減、宿泊・飲食サービス業の同6.3%減など、11産業のうち8産業で減った。前月と同様に、物価高や従業員の賃上げなどのコスト上昇に対応するため、求人を控える動きが製造業などで顕著だ。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント低下の1.02倍だった。
4月完全失業率は横ばいの2.6%、3カ月連続動かず
総務省が31日発表した4月の就業者数は6750万人で、前年同月比9万人増と21カ月連続の増加。完全失業者は193万人の同3万人増で、2カ月ぶりの増加となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月と同じ2.6%となり、2月以来3カ月連続で同じ水準のままで、23年7~9月と同水準。男女別では男性が2.8%、女性が2.4%で、男性は前月比0.1ポイント上昇、女性は同0.2ポイント低下した。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5750万人のうち、正規従業員は3666万人で前年同月比2万人の増加、非正規従業員も2084万人で同20人の増加と、いずれも増えた。非正規比率は36.2%。
非正規の内訳はパートが1014万人(同5万人増)、アルバイトが448万人(同27万人増)、派遣が161万人(同7万人増)と増えた一方、契約は273万人(同14万人減)、嘱託が107万人(同0万人)となった。