パーソル総研が30日発表した「転勤に関する定量調査」によると、転勤制度に対する会社員の拒否反応は強く、就活生の31.4%が「転勤のある会社には入りたくない」、19.4%「転勤のある会社は受けない」と考えており、合わせると過半数になった。
同様に、ホワイトカラー正社員の場合も転職先について、「入りたくない」が24.8%、「受けない」が24.9%で、合わせると半数近くに達している。「条件次第でOK」は就活生の28.0%、社員の31.1%に過ぎなかった。「辞令一本でどこへでも」という時代は過去のものになりつつあるようだ。
転勤制度のある企業の総合職の場合でさえ、「条件次第でOK」が63.4%に上ったが、「どんな条件でも受け入れない」が18.2%あった。転勤先が不本意な場合は「会社を辞める」が37.7%に倍増した。20代男性や20~40代女性などでその傾向が高かった。
「条件次第」派の会社員が受け入れる条件としては「毎月の十分な手当て」が49.0%、「引っ越し費用の会社負担」の44.9%、「家賃補助」が43.2%など、金銭面の手当てを挙げる人が多かった(複数回答)。
これらの結果について、同社は「企業主導の転勤は時代遅れであるとも言え、採用や定着へのインパクトを鑑みると転勤の廃止も一考に値するが、制度を継続させるのであれば、確かな見返りを与えて『転勤のコスパの悪さ』を低減させることが必要である」と指摘している。
調査は2月29~3月13日に実施、就活生175人、20~50代社員1800人の回答を集計した。