帝国データバンクが28日発表した2023年「新設法人」調査によると、昨年の新設法人は15万2860社(4月判明時点、前年比7.9%増)の過去最高を記録した。現役引退したシニア層の増加が目立ち、起業者年齢は平均48.4歳(同0.2歳増)と過去20年で約3歳上昇した。
法人格別の起業数では合同会社を除くと、伝統的な税理士法人が265社(同23.2%減)で最も多く、社会保険労務士法人の222社(同18.1%減)が続いたが、どちらも数は減少。これに対して、若手の算入が多い農事組合法人が135社(同15.4%増)、マンションブームを背景にした管理組合法人が84社(同29.2%増)と大きく増えた。
経営者の年代は40代が41.9%で最も多く、50代が25.3%、30代が18.9%、60代が12.2%で続いたが、近年はシニア層の比率が高まっており、20~30代は低下傾向にある。
同社によると、政府の起業支援政策「スタートアップ育成5カ年計画」や大手企業の副業・兼業の増加などが追い風になっているという。23年は休廃業・解散件数が約6万社、倒産が約8500社あったが、起業数の方がはるかに多いことから、「企業の新陳代謝を加速させ、デフレ脱却への一要因となる」と分析している。