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2024年5月21日

「育成就労創設」「永住許可適正化」法案、衆院通過 会期内成立で2027年運用開始

 衆院本会議は21日、「技能実習」に代わる「育成就労」創設や永住許可の適正化を柱とする出入国管理・難民認定法と技能実習適正化法の改正案を自民・公明などの賛成多数で可決した。永住者が故意に納税や社会保険料の納付を怠った場合に永住許可を取り消すことができる見直しに関しては、配慮規定を盛り込む修正を施した。舞台は参院へ移り、会期末の6月23日に向けて与野党の攻防が繰り広げられる見通しだ。

 衆院では4月16日に審議入りし、法務委員会で有識者の参考人招致や岸田首相入りの質疑などを交えて論戦。5月10日には法務委と厚生労働委員会の連合審査会も開催して議論を深めた。明日22日以降、参院で審議が始まり、会期内に法案が成立すれば、新制度は2027年の運用開始が見込まれる。

 改正法案は、実態として労働力確保に利用され、国際社会から人道的な批判もあった技能実習制度を廃止し、外国人材の「確保と育成」を目的とする実態に即した制度に転換する。新設する在留資格「育成就労」の対象分野(職種)は、19年に創設した「特定技能」に合わせて移行しやすい流れをつくり、中長期的な就労につなげたい考え。併せて、問題のある外国人や悪質な受け入れ先を排除するため、故意に納税や社会保険料の納付を怠った外国人の永住許可を取り消すことができるほか、違法に雇う雇用主の「不法就労助長罪」を厳罰化する方針だ。


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