連合総研・連合の「労働組合の未来」研究会(座長:玄田有史 東京大学社会科学研究所教授)は、論稿・提言集「労働組合の『未来』を創る~理解・共感・参加を広げる 16のアプローチ~」をまとめた。2022年5月に立ち上げた有識者と連合総研・連合による同研究会が、労働組合の持続可能性を高め、社会の理解・共感を獲得するために何をすべきかを議論してきた成果物。参加メンバー全員が問題意識に基づくテーマを調査研究し、16本の論稿と提言で構成されている。17日、連合会館で説明会が開かれた。
同研究会は、労働組合の現状認識を踏まえた課題を明確にしたうえで、「働きかけの対象」(組合員や社外の未組織労働者など)と「取り組みの主体者」(単組や産別など)を整理して議論を深めてきた。16の論稿・提言は「最先端の研究者が迫る労働組合の問題点と可能性」「労働組合を取り巻く環境の大胆な転換を働きかける」「労働組合は変われる・変えられる ~実践からの提案~」「労働組合の未来はコミュニケーション変革のなかにある」――の4章構成で、「労働組合の未来に向けた5つの提言」をまとめている。
同研究会のメンバーは、座長の玄田氏、宇野重規氏(東大社会科学研究所教授)、梅崎修氏(法大キャリアデザイン学部教授)、首藤若菜氏(立大経済学部教授)、植村新氏(関西大法学部教授)、富永京子(立命館大産業社会学部准教授)、村上陽子氏(連合副事務局長)、縫部浩子氏(連合総合企画局次長)――の8人で、連合総研の中村天江主幹研究員が事務局の主担当を務めた。
論稿・提言集「労働組合の『未来』を創る」は、第2章までの8本が5月16日に公開されており、第4章までの残り8本は6月19日に公表する。説明会では、連合総研の中村主幹研究員と連合の村上陽子副事務局長が、論稿のポイントや着眼点、5つの提言などについて詳しく解説した=写真。この「16のアプローチ」は、今後の連合の活動の中で幅広く活用していく。