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2024年5月13日

1~4月の介護事業所倒産、51件に急増 訪問、通所・短期入所がピンチ、東商リサーチ

 東京商工リサーチが13日発表した「老人福祉・介護事業」(負債1000万円以上)の倒産調査によると、今年1~4月で51件が倒産し、過去最多のペースで頻発していることがわかった。同社によると、人手不足に加えて、給与の伸び悩みやコスト増が経営を圧迫している。

 1~4月としては23年の35件を大きく上回っており、最多だった20年の43件をも上回っている。事業別の内訳は訪問介護が22件、通所・短期入所が19件とこの二つが突出している。いずれも利用者に身近なサービスだけに、経営の安定が喫緊の課題となっている。

 訪問介護は介護報酬のマイナス改定、通所・短期入所は光熱費やガソリン代などのコスト増が要因とみられ、どちらの場合も慢性的な人手不足が背景にある。24年度の介護報酬は1.59%のプラス改定、介護職員の処遇も24年ベースアップは2.5%に増えた。しかし、他産業は5%を超えるなど賃金格差は拡大しており、職員の採用難や離職が深刻になっている。


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