多様化する働き方に対応した労働基準法などの見直しを検討する厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」(荒木尚志座長)は10日、第7回会合を開き、使用者側と労働者側の団体からヒアリングを実施。委員の質疑を交えながら、主なテーマとなっている「労働時間法制」「労基法上の事業」「労基法上の労働者」「労使コミュニケーション」について議論を深めた=写真。
同研究会は、経済学者らによる「新しい時代の働き方に関する研究会」(今野浩一郎座長)の報告書を引き継ぐ形で1月に発足。労働政策審議会の議論にのせる"前段"となるテーブルで、有識者「第2弾」の同研究会は主に法律の専門家らで構成され、次の時代の労基法を見据えた幅広い議論を展開している。
この日は、これまでの議論が一巡したことから、労基法などに関する職場の課題や現状を聞き取るため、使用者側の経団連と労働者側の連合の労働法制担当者を招いた。基本姿勢として、経団連は「長時間労働の是正に向けた取り組み強化は必要。一方で、日本の豊かさ、経済成長につながる視点からの議論も不可欠」との姿勢を示し、「『新しい時代の働き方に関する研究会報告書』にある『守る』と『支える』の両面からバランスの取れた検討を求める」と強調した。
連合は「論点の設定段階から4割を占める非正規雇用の問題が取り上げられておらず、検討の射程が不十分」と指摘。「労働行政の古い縦割りが実効的な法整備を阻害し、多重化した法制度が複雑で分かりにくい制度にしている。『新しい時代』の労働基準法制を目指すのであれば、非正規雇用やジェンダー平等、ハラスメントの問題を真正面から取り上げるべき」と主張した。
そのうえで、双方は同研究会で論点となっているテーマを軸に、具体的な見解を述べた。特筆されるのは...
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