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2024年5月 9日

実質賃金2.5%減、24カ月連続 過去最長を更新、毎勤3月速報

 厚生労働省が9日発表した毎月勤労統計の3月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は30万1193円(前年同月比0.6%増)で27カ月連続のプラスとなった。しかし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100)は87.2(同2.5%減)で24カ月連続のマイナスとなり、2007年9月~09年7月の23カ月を抜いて過去最長となった。

 大幅な物価上昇によって実質賃金は23年1月の同4.1%減を最大にマイナスが続いていた。今年になってもプラス転換せず、今春闘で相次いだ大幅賃上げの効果が出るのは4月以降に持ち越されたが、賃上げ効果が中小・零細企業まで波及するには時間が掛かることから、「プラス転換は夏以降」との見方も出ている。

 給与額のうち、基本給などの所定内給与は25万9531円(同1.7%増)で、残業代などの所定外給与は1万9703円(同1.5%減)。また、ボーナスなどの特別給与も2万1959円(同9.4%減)と大きく下がった。雇用形態別の総額は、正社員が中心の一般労働者は38万6795円(同0.8%増)、パートタイム労働者は10万8036円(同2.5%増)となった。

 産業別で伸びが大きかったのは「金融・保険」の45万5240円(同7.2%増)、「生活関連サービス」の21万1947円(同5.4%増)、「情報通信」の45万365円(同4.9%増)ぐらい。一方、「鉱業・採石等」は31万8228円(同11.6%減)、「飲食サービス」も13万252円(同8.0%減)など、16産業のうち5産業でマイナスとなった。

 月間総実労働時間は136.2時間(同2.7%減)。月末の常用労働者数は5006.3万人(同1.5%増)で、パートタイム比率は30.70%(同0.33ポイント増)だった。

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