厚生労働省が30日に発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.28倍だった。2022年央の水準で、わずかだが上昇は16カ月ぶり。昨年11月~今年1月に3カ月連続の横ばいが続いた後、2月はさらに倍率を下げたが、3月は再び上昇する"一進一退"の状態となっている。
企業側の有効求人数約251万人(原数値、前年同月比4.4%減)に対して、有効求職者数は約194万人(同0.1%増)。都道府県別(就業地別)の倍率は福井県の1.94倍が最高で、最低は大阪府の1.07倍。
新規求人倍率も前月比0.12ポイント上昇の2.38倍だった。新規求人数(原数値)は前年同月比7.4%減。産業別で増えたのは学術研究、専門・技術サービス業の同1.6%増だけで、製造業は同10.8%減、生活関連サービス・娯楽業も同10.5%減、教育・学習支援業も同10.5%減など、11産業のうち10産業で減っている。物価高や従業員の賃上げなどのコスト上昇に対応するため、求人を控える企業が増える傾向が続いている。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.03倍だった。
この結果、23年度の平均有効求人倍率は1.29倍(前年度比0.02ポイント減)となり、3年ぶりに低下した。平均有効求人数は同1.6%減、平均有効求職者数は同0.1%増となった。
3月完全失業率は横ばいの2.6%、パートとバイト雇用増
総務省が30日発表した3月の就業者数は6726万人で、前年同月比27万人増と20カ月連続の増加。完全失業者は185万人の同8万人減で、2カ月ぶりの減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月と同じ2.6%となった。これは23年7~9月と同水準。男女別では男性、女性とも前月と同じ各2.7%、2.6%だった。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5733万人のうち、正規従業員は3602万人で前年同月比11万人の増加、非正規従業員も2131万人で同30人の増加と、いずれも大きく増えた。非正規比率は37.2%。
非正規の内訳はパートが1038万人(同7万人増)、アルバイトが467万人(同47万人増)と増えた一方、契約が271万人(同19万人減)、派遣が160万人(同3万人減)、嘱託が107万人(同9万人減)となり、2月と同じ傾向が続いた。
この結果、23年度の平均完全失業率は前年度と同じ2.6%で、男女の内訳は男性が2.7%(同0.1ポイント低下)、女性が2.4%(同0.1ポイント上昇)。完全失業者数も前年度と同じ178万人だった。