連合主催の第95回メーデーが27日、全国各地で開かれた。東京・代々木公園で行われた中央大会には、約2万8800人(主催者発表)が集結=写真・上。連合の芳野友子会長は「30年間の停滞を一掃するように、大企業から中小企業にわたって高い賃上げが実現している」と今春闘を評価したうえで、「働く人の 7割は中小企業で働いており、中小企業の給料を上げていかなければ『みんなで賃上げ』とは言えない」と、賃上げの流れが持続することに期待を込めた=写真・中。
連合によると今年の春闘の賃上げ率(4月16日時点)は5.2%。1991年以来の5%台となる高水準となっている。また、芳野会長は、政治とカネを巡る混乱を念頭に「政治家の皆さん、どうか私達に政治を諦めさせないでください」と指摘。「私たちも社会を支える当事者として、政治を自分事として諦めない努力をしていこう」と呼び掛けた。
今年のメーデーには、2年連続で岸田文雄首相が出席。6月実施の定額減税に触れて、「物価上昇を上回る所得を必ず実現する」と強調。「今後も連合の意見に耳を傾け、連携して政策を一つ一つ果断に丁寧に進める」として、下請け事業者の経営圧迫を防ぐために下請け法の運用基準改正に取り組むことを約束した=写真・下。
28日投開票の衆院3補欠選挙中に、野党を支持する行事に首相が出席するのは異例。岸田首相は昨年のメーデーにも、現職首相としては14年の安倍晋三氏以来9年ぶりに参加している。
連合は2018年以降、政党代表を招いていなかったが、今年は7年ぶりに立憲民主の泉健太代表と国民民主の玉木雄一郎代表を招待した。
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