「技能実習」に代わる「育成就労」創設や永住許可の適正化を柱とする出入国管理・難民認定法と技能実習適正化法の改正案が、23日の衆院法務委員会で審議入りした。あす24日から、同委員会で与野党が本格的に政府の見解をただす。
実態として労働力確保に利用され、国際社会から人道的な批判もあった技能実習制度を廃止し、外国人材の「確保と育成」を目的とする実態に即した制度に転換する。今月16日に衆院本会議で審議入りし、与野党5議員の代表質問に岸田文雄首相と小泉龍司法相が答弁した。法案が成立すれば公布後3年以内の施行となり、新制度は2027年の運用開始が見込まれる。
この日の同委員会では、小泉法相が2つの改正案趣旨を説明。「現在、個人番号カードを所持する外国人は在留カードと個人番号カードの手続きをそれぞれ別の行政機関で行っており、煩雑な手続きを余儀なくされている」として、在留カードと個人番号カードの一体化する考えを示した。また、「近年のわが国の労働力不足は深刻で、外国人材が経済社会の重要な担い手になっている一方、国際的な人材獲得競争は一層激しさを増している」と説明したうえで、「技能実習制度と特定技能制度を巡る状況を踏まえ、わが国が魅力ある働き先として選ばれる国になるという観点から、外国人が就労しながらキャリアアップできるわかりやすい制度に改める」として、主な改正項目を挙げた。
今国会の会期末は6月23日までで、重要広範議案の審議の行方が注目される。