帝国データバンクが23日発表した2024年度「業績見通しに関する企業調査」によると、「増収増益」を見込む企業の割合は26.3%(前年度比0.1ポイント減)とほぼ前年度並みだが、「減収減益」見通しの企業は21.0%(同0.7ポイント増)とやや増えており、上向き傾向の勢いがやや鈍化してきていることがわかった。
増収増益を見込む業種で最も多かったのは「電気通信」の50.0%で、「飲食店」の40.8%、「旅館・ホテル」の40.4%が続いている。円安を背景にしたインバウンド需要を見込む業種で高い傾向がみられた。
業績の上振れ材料としては「個人消費の回復」が37.3%(同1.5ポイント減)で最も多く、逆に下振れ材料としては「人手不足の深刻化」が39.4%(同5.5ポイント増)で最も多く、前年度のトップだった「原油・素材価格の上昇」の33.3%(同11.9ポイント減)を上回った(複数回答)。
同社によると、「増収増益」が「減収減益」を上回るのは4年連続だが、その勢いには鈍化傾向がみられるという。
調査は3月15~31日に実施、全国2万6935社から有効回答を得た1万1268社分を集計した。